「日米ビジネス展望」ブログ第3弾

日本の企業とビジネスを行う在米4社が営業・人事・販売・マーケティングなどのそれぞれの切り口で現在の日米ビジネスの分析をお届けする「日米ビジネス展望」第三弾。今回のテーマは「ハイテクジャパン」です。弊社はコンクリートの強度をテストする最新技術についてお送りします。

高層ビルや商用ビル、トンネルの外壁、橋梁など、至る所で使用されているコンクリート。だが強度が低下すると上からの重量に耐えきれず割れてしまい、結果として崩壊などの大事故につながる恐れがある。よってコンクリートの強度は様々な業界で必須の検査となる。

 コンクリート強度を検査する方法として、コンクリート構造物(建物、橋など)からコンクリートをシリンダー状に抜きとって行う圧縮強度試験のほかに、打音法・リバウンドハンマーなどいわゆる非破壊式の検査方法が広く採用されている。しかし打音法は測定する人の経験や感覚によるため、計測する人によって結果が異なり、また計測結果をデータとして残させない。リバウンドハンマーは反発硬度法の代表的な測定器であるが、圧縮強度試験と比べると検査精度がよくない上、計測対象のコンクリート表面を研磨したり、測定する角度によって検査結果の補正が必要であり、コンクリート表面の剥がれやコンクリート内部の摩耗の検知には向いていない。

 そこで打音法の利便性をもち、リバウンドハンマーの精度を大きく改善させた技術を日本の日東建設株式会社が開発した。CTS-02 v4という非破壊式のコンクリート強度測定テスターだ。CTS-02 v4はコンクリート強度測定に機械インピーダンスを計測することで高精度に測定が可能で、リバウンドハンマーと比べ圧倒的な精度で強度を計測できるだけでなく、コンクリートの表面状態や計測角度に影響されない。計読データはパソコンに転送することで強度分布図(Contour Map) の作成や詳細な強度解析も可能である。もちろん非破壊なので、圧縮強度試験のようにコンクリートを建物から抜き取る必要がない。

 

 日本では道路公団、アメリカではDepartment of Transportation、Port of Authorityなど公共施設の非破壊検査で利用されている。日東建設によるこの画期的な測定技術は、今後もさまざまな場面での展開が期待される。

 

コンクリートテスターの詳細については、以下のサイトを参照。
コンクリートテスター: https://www.concretetester.com/ (英語)
コンクリートテスターの技術: https://nittokensetsu.co.jp/technology/cts.html
  (日本語)

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